──sorayaの2人もずっとジャズをやってきた中で歌モノポップスのsorayaを始めて、今まさに作り方を研究しているということですよね。

壷阪　そうなんですよ。だから今みたいな話はすごく興味深くて。音で言いたいことは全部表現してしまう音楽をずっとやってきたので、歌詞にいつも悩むんですよね。ホントはハミングで出してもいいくらいなんですけど、ポップスをやるとなったらそうはいかなくて。シンガーソングライターやロックの人たちのような素養が自分には悲しいかな、全然ないんですよ。

吉田　音楽を始めた最初からジャズだったんですか？

壷阪　そうですね。歌を聴くのはもちろん好きでしたけど。

石川　私は高校でジャズ研に入ったんですけど、そこのジャズ研は先輩から「BLANKEY JET CITYとか聴きな」って言われるようなところで（笑）。ブランキーのスコアを置いたまま先輩たちが卒業していったので、興味がなくてもなんとなく楽譜を見てるみたいな。で、実際に聴いてみると……ジャズとは全然違うじゃないですか。歌というより叫びみたいな。でも聴いてるうちにめちゃくちゃカッコいいなと思い始めて、一時期はブランキーの動画ばかり観てました（笑）。そうだ、今回対バンを受けてくださるということで、トリプルファイヤーさんのインタビューをいろいろ読んでいたら、吉田さんが挙げていたプレイリストにブランキーが入っていて……。

吉田　ああ、はいはい。

石川　吉田さんと浅井健一さんに、誰もカバーできない歌い方みたいな共通点を感じて……それがなんだって話ですけど（笑）、それってすごく憧れるんです。なんだろう、「言いたいことがあるから言ってる」みたいな。私たちは今そこに迷いがあって。リズムとかコードの変わり方とかで曲のイメージはすぐに浮かぶんだけど、そこに乗せる言葉は「言いたいこと」じゃなくて、「この言葉ならリズムにハマりそうだな」と考えてしまう。吉田さんや浅井さんとは根本的に違うんだなと思っていて、憧れちゃうんですよね。

吉田　僕も知らん間にブランキーに影響受けてるかもしれないですね。取り入れられてる感じは全然ないけど（笑）、基本として入ってるのかもしれない。変なことを言ってもカッコいいみたいな。音楽に乗せる言葉はこういうものだと思っちゃってるというか。鳥居くんもブランキー好きなんで。

鳥居　僕らはみんなブランキー好きですよ。メンバー4人とも共通して好きなのはブランキーぐらいじゃないかな。

石川　そうなんですか？ へえー。

鳥居　基本的には趣味や好みは全然バラバラで。「俺はこういう音楽がやりたいから、お前らこれを聴け」って送りつけてます（笑）。「俺の好きな音楽を聴くんだお前ら」みたいな。

吉田　けっこうな頻度で送られてきます。

壷阪　それを皆さん聴かれるんですか？

吉田　まあ、極力。

壷阪・石川　あはははは。

鳥居　10回送りつけたら1回は聴いてくれるだろうと。

吉田　聴いてみたらいいなと思う曲もちょいちょいありますけど。いや、でも歌を作るのは難しいですよね。なんかこう、浮かせるしかないというか……。

壷阪　浮かせる？

吉田　曲に寄せていこうとしても僕だとうまくできてなくて「気持ち悪りい」ってなりそうだなと思って。